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カラー剤の使いすぎ問題。美容師歴20年の僕が「調合計算アプリ」を作ろうと思った理由

ヘアケアアイテム

美容室で働いていると、毎日のように使うカラー剤。

お客様の髪をきれいにするためには欠かせないものですが、実はこのカラー剤の「使いすぎ」って、美容室によっては結構シビアな問題だったりします。

僕自身、これまでいくつかのサロンで働いてきましたが、カラー剤の使用量について注意されることもありました。

もちろん、材料費はお店にとって大切な経費です。

無駄にしない意識は必要だと思います。

ただ、その管理の仕方については、昔から少し疑問に感じていたことがありました。

カラー剤を残したら罰金。そんなサロンもあった

以前働いていたサロンでは、カラー剤を一定量以上残してしまうと、罰金が発生するというルールがありました。

カラー剤を無駄にしないためのルールだったのだと思います。

でも、実際の現場ではどうだったのか。

罰金を払いたくないからと、誰も見ていないタイミングで余ったカラー剤を捨ててしまう人もいました。

そして、それが見つかると、さらに怒られる。

そんな光景を見ていて、僕はずっと違和感がありました。

これって、本当にカラー剤の無駄を減らすことにつながっているんだろうか?

もちろん、隠れて捨てることがいいとは思いません。

でも、余ったことを正直に言いにくい環境になってしまったら、根本的な解決からは遠ざかってしまう気がするんです。

本来なら、なぜ余ったのかを考えて、次回から少しでも適量に近づけられた方がいいですよね。

そもそもカラー剤の適量って難しくないですか?

美容師なら分かると思いますが、カラー剤って毎回同じ量で足りるわけではありません。

例えば同じショートヘアでも、

  • 毛量が多い人、少ない人
  • 髪が細い人、太い人
  • 根元だけ染めるのか、毛先まで染めるのか
  • 塗布する範囲や技術による違い

こうした条件で必要な量は変わります。

だから、ある程度は経験や感覚で調整することになります。

しかも、カラー剤には1剤と2剤があります。

混合比率が1:1なら比較的分かりやすいですが、1:2や1:3になると、思った以上に仕上がりの総量が増えてしまうこともあります。

例えば、110gのカラー剤を作りたい場合。

1剤:2剤が1:1なら、それぞれ55g。

でも、1:2の場合は、1剤が約37g、2剤が約73gです。

ここで1剤を55g出してしまうと、2剤は110g必要になり、合計165gになります。

必要量より55gも多くなってしまうわけです。

もちろん、普段から計算して調合している美容師さんもたくさんいると思います。

ただ、忙しい営業中に毎回細かく計算するのは、なかなか面倒なんですよね。

それなら、簡単に計算できるものを作ればいいのでは?

そんなことを考えていたときに思いついたのが、カラー剤の調合計算アプリです。

最初に「今回は全部で何g作りたいか」を決める。

あとは1剤と2剤の比率を選ぶだけで、それぞれ必要なグラム数が表示される。

さらに、カラー剤を2色、3色、あるいはそれ以上混ぜる場合も、それぞれの配合比率から自動計算できる。

そんな仕組みです。

最初は単純な計算機のイメージでした。

でも、実際の営業を思い浮かべると、欲しい機能がどんどん出てきました。

カラーを塗っている途中で足りなくなったら?

これも美容師あるあるだと思います。

「今回はこれくらいで足りるかな」

そう思ってカラーを作って、実際に塗ってみたら少し足りない。

あと20gくらい欲しい。

でも、さっき使ったカラー剤の種類や配合比率を、もう一度入力するのは面倒です。

そこで、最初の配合を記憶しておいて、追加したい量だけを入力すれば、自動で同じ比率のカラー剤を計算できるようにしました。

さらに考えたのが、音声入力です。

カラーを塗っている最中って、手袋が薬剤で汚れていますよね。

その手でスマホを触るのはちょっと嫌です。

だったら、マイクボタンを押して、

「20グラム追加」

と話すだけで計算できたら便利じゃないか。

そんな発想から音声入力機能も追加してみました。

実際にスマホで試してみると、これがなかなかいい感じなんです。

余ったカラー剤が「何円分なのか」も分かるように

もう一つ気になっていたのが、カラー剤の原価です。

例えば、20g余ってしまったとしても、それが何円分なのかは、使っているカラー剤によって変わります。

そこで、メーカーやシリーズごとに仕入れ価格と内容量を登録して、1gあたりの原価を計算できるようにしました。

複数のメーカーを混ぜた場合にも対応しています。

さらに、余ったカラー剤のグラム数を入力すれば、廃棄した薬剤の原価も概算できます。

こういう数字が分かれば、単に「使いすぎ!」と注意するのではなく、

「今回は少し多かったから、次は10g減らしてみよう」

という改善につなげやすくなると思うんです。

お客様ごとのカラーレシピも保存できるように

カラー剤の使用量は、お客様によっても違います。

そこで、お客様の名前やメモと一緒に、カラーレシピを保存できる機能も試作しました。

例えば、

「前回は110gで少し足りなかった」

「今回は130g作って5g余った」

そんな記録があれば、次回は125gを目安にできるかもしれません。

もちろん毎回同じ条件とは限りませんが、自分の経験を数字として残せるのは便利だと思います。

現段階ではテスト版なので、正式な顧客管理サービスとして完成したわけではありません。実際のお客様の個人情報を扱うための仕組みも、これから整えていく必要があります。

美容師を責めるより、無駄になりにくい仕組みを作りたい

カラー剤を無駄にしたくない。

これは、美容室の経営者も、現場で働く美容師も、きっと同じ気持ちだと思います。

でも、無駄を減らすために誰かを責めたり、罰金を設けたりするだけでは、うまくいかないこともあります。

僕自身、そういう環境を見てきたからこそ、もっと違う方法があってもいいんじゃないかなと思いました。

カラー剤が余ってしまうこと自体を、必要以上に怖がるのではなく、次はどうすれば減らせるのかを考えられる。

そのための小さな道具になればいいなと思っています。

現在、カラー剤調合計算アプリを試作中です

そんな思いから作り始めたのが、今開発している「Color Recipe(仮称)」です。

プログラミングの専門家ではありませんが、AIの力も借りながら、実際に自分の美容室で使えるものを目指して少しずつ作っています。

まだまだ改良したいところはあります。

でも、実際の美容師だからこそ気づく不便さを、一つずつ解決していくのは結構楽しいものです。

もしこの記事を読んでいる美容師さんで、

「うちのサロンでもカラー剤の使いすぎが問題になっている」

「こういう機能があれば便利なのに」

ということがあれば、ぜひ意見を聞かせてもらえると嬉しいです。

これからも、開発の様子や実際に使ってみた感想をSHUBLOGで紹介していこうと思います。

カラー剤の無駄を減らすことが、美容師の働きやすさにもつながったら。

そんなアプリにしていきたいです。

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